歯周外科治療って何?必要となる症例や治療の流れを解説

      2025/09/20

歯周外科治療

こんにちは。代々木の歯医者、代々木クリスタル歯科医院です。

歯周病の基本的な治療法は、日々のセルフケアと定期的なスケーリングですが、症状が進行してしまった場合にはそれらだけでは足りず、歯周外科治療が必要になることがあります。
歯周外科治療ではどのようなことをするのか、どのような場合に歯周外科治療が必要になるのかについて解説します。

 

歯周外科治療とは

代々木の歯医者、 代々木クリスタル歯科医院で歯周外科治療についての解説

歯周外科治療は、歯周病が進行してスケーリングやルートプレーニングといった基本的な治療では症状改善が見込めない場合に行われる外科的な治療です。
軽度の歯周病であれば歯石除去や日々のセルフケアで進行防止が可能ですが、中度から重度に進行した状態では、歯と歯ぐきの間にある「歯周ポケット」が深くなり、汚れが取り切れなくなります。

このような場合に行われるのが歯周外科治療であり、外科的治療によって汚れを除去するとともに、失われた歯周組織の再生を促します。治療法には「フラップ手術」と「歯周組織再生療法」の主に2つがあります

 

フラップ手術とは

代々木の歯医者、 代々木クリスタル歯科医院で歯周外科治療についての解説

フラップ手術は、歯の根元に蓄積した歯石や細菌を取り除くための歯周外科治療です。
この手術では、まず感染部分に局所麻酔を施します。その後、歯ぐきを切開して表面を広げ、歯根を露出させます。
次に、専用の器具や機械を使用して、歯周病の原因となる歯石をきれいに取り除きます。
すべての汚れを取り除いた後は、切開した歯ぐきを元の位置に戻し、縫合を行います。
術後しばらくの間は治癒を待つ期間が必要ですが、その後は歯ぐきが引き締まり、歯周ポケットは浅くなります。
フラップ手術は保険適用であり、3割負担の場合、費用は7,000円から1万円程度です。

 

歯周組織再生療法とは

歯周病が進行すると、歯周組織が破壊され、歯を支えている歯槽骨までが失われていきます。
このような場合に行われるのが、歯周組織再生療法です。
この治療は、失われた歯周組織の再生を目的としています。

 

歯周組織再生療法の種類

GTR法

代々木の歯医者、 代々木クリスタル歯科医院で歯周外科治療についての解説

GTR法は、再生組織よりも粘膜が先に再生してしまうのを防ぐための手法です。
歯周病で失われた歯槽骨は、骨よりも歯肉が早く再生して骨の再生スペースを埋めてしまうために、自然治癒では再生が難しいという問題があります。

GTR法では、歯槽骨や歯根膜が再生するまで歯肉の侵入を防ぐ特殊な膜を使用することで再生部位を保護し、スペースを作ります。再生の速度は個人差がありますが、月に1mm程度とされています。

 

エムドゲイン法・トラフェルミン使用法

代々木の歯医者、 代々木クリスタル歯科医院で歯周外科治療についての解説

エムドゲイン法やトラフェルミン使用法は、歯が生えてくるときの状況を再構築し、自然な組織の再生を促す治療法です。
治療部位を切開し、プラークや歯石を取り除いた後に、エムドゲインゲルやトラフェルミンを塗布することで、歯周組織の再生を促進します。

 

骨移植

骨移植は、患者さん自身の口腔内から採取した骨や血液を欠損部に移植する手法です。
特に骨が大きく損傷している場合に適していますが、再生が完了するまでには時間がかかり、半年以上かかることもあります。
また、治療は保険が適用されないケースが多いです。

 

歯周外科治療が必要となる症例

基本治療後も歯周ポケットが4〜6mm以上ある場合
通常のスケーリングやルートプレーニング後も歯周ポケットが深い状態が続く場合、歯周外科治療が検討されます。
特に、歯周ポケットの深さが6mm以上の場合には、重度の歯周病と診断され、歯周外科治療が必要となる可能性が高くなります。

歯槽骨が破壊されている場合
進行した歯周病は、歯槽骨にまで影響が及びます。
この場合、フラップ手術だけではなく、骨の再生を目指す治療が必要不可欠です。
これにより、歯周病による歯の喪失を防ぎやすくなります。

炎症が治まらない場合
持続的で重度の炎症がある場合には、基本治療だけでは不十分であり、外科的治療が必要となります。
炎症が広がることを防ぎ、健康な歯周環境を取り戻すために、歯ぐきを切開してクリーニングが行われます。

歯周組織が大きく損傷している場合
歯周病が進行し、歯周組織が大きく損傷している場合には、再生療法を検討します。
このような状態の場合、そのまま進行が進むと歯が抜け落ちるリスクがあります。

歯根が露出している場合
歯根が露出することにより、歯が伸びて見えたり痛みが生じたりすることがあります。
このような症例では、歯肉を移植するなどの手術が必要となります。

 

歯周外科治療を受けられないケースとは

代々木の歯医者、 代々木クリスタル歯科医院で歯周外科治療についての解説

歯周ポケットが深くなり、歯周組織が損傷を受けていたとしても、すべての患者さんが歯周外科治療を受けられるわけではありません。

例えば脳梗塞、心筋梗塞、高血圧などの持病がある方は、医療リスクを考慮し、治療が制限されることがあります。

妊娠中の方も慎重を期すためにこの時期の外科処置は避ける場合がほとんどです。

また、デンタルケアが不十分ですでに複数本の歯を虫歯や歯周病で失っている方の場合にも、その状態のまま外科治療を行っても再度口内環境を悪化させてしまう可能性が高いため、その状態では治療が行われない可能性があります。

そのような場合、治療後に口内の健康を維持していけるよう、今後のデンタルケアや適する治療法について歯科医師とじっくり話し合う必要があります。

 

歯周外科治療のメリット

歯周外科治療のメリットは、深い歯周ポケット内の歯石や歯垢を除去することができ、口内環境の改善が見込めることです。

歯周病の進行抑制や虫歯の発症予防、歯ぐきの状態改善が期待できます。

また、口臭の減少や、歯の動揺が軽減することによって生活の質が向上する場合もあります。

 

歯周外科治療のデメリット

歯周外科治療後は切開した部分が痛むことがあり、傷が改善するまでには数週間が必要です。

また、歯ぐきが健康な状態に戻ることで歯が長く見える場合や、知覚過敏が一時的に発生することもあります。

 

まとめ

代々木の歯医者、代々木クリスタル歯科医院

歯周外科治療は、歯周病が進行している方にとって、歯を守るための選択肢の一つです。

治療を受けることで、歯と歯ぐきの健康を回復させ、その後の口腔の健康維持を可能にします。

しかし、治療にはリスクやデメリットがあり、デンタルケア習慣が改善されなければ口内環境が再び悪化することもあります。 そのため、歯科医師とよく相談し、自分に適した治療を選択することが大切です。

 



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