歯の亜脱臼とは?脱臼と亜脱臼の違いも解説
2025/03/20

こんにちは。代々木の歯医者、代々木クリスタル歯科医院です。
歯は、人間の身体の中で特に硬い部位であり、さまざまな衝撃に耐える力を持っています。
しかし、時には思いがけない事故や衝撃によって亜脱臼や脱臼が起こってしまうことがあります。
もし、これらのトラブルが起こった場合は、素早く適した対応をできるか否かが、その後に大きく影響します。
今回は、歯の亜脱臼と脱臼の違い、そしてそれぞれの症状に対する治療法について解説します。
歯の亜脱臼とは

歯の亜脱臼とは、外傷などにより歯が衝撃を受け、抜けかかっている状態を指します。
歯がグラグラしているものの、まだ歯槽骨にとどまっている状態です。
原因としては、転倒や衝突、スポーツ中の事故が考えられ、特にお子さんや部活中の学生、スポーツ選手などに多く見られます。
歯の亜脱臼の症状
亜脱臼の症状には、かみ合わせの違和感やずれ、歯のぐらつき、歯周辺の腫れや圧痛、物をかんだときの不快感や痛みなどがあります。
また、歯が常に浮いているように感じたり、歯が通常の位置からずれていることが鏡などで確認できたりもします。
その状態のまま日常生活を送ろうとすると、かむことへの恐怖から生じるストレスや、かむ際に生じる痛みのために、食生活が困難になります。
歯の亜脱臼の治療法
歯の亜脱臼は、状況に応じた治療が必要です。
軽度の亜脱臼では、歯を自然と元の状態に戻すため、安静にして歯に負担をかけないことが基本です。
硬い食べ物を避け、食事の際の歯への刺激を抑えるようにしましょう。
このように歯根膜や周囲の組織を安静に保っていれば、1週間程度で自然と安定してきます。
ただし、自分で亜脱臼の状態を軽度だと判断してしまうのは後々のトラブルにつながりかねません。
歯のぐらつきやずれを感じた場合は、まずは一度歯科医院で診断を受けるようにしてください。
亜脱臼の程度が中等度から重度に至る場合は、固定が必要となることがあります。
その場合は、歯科医院にて、レジンを用いて亜脱臼した歯とその両隣の健康な歯を固定する処置を行います。
固定期間は通常2〜3週間ほどで、その間に歯根膜や軟組織が回復し、歯が安定するのを待ちます。
固定期間中は、口腔内を清潔に保つことが重要です。
食べ物や歯垢の蓄積を防ぎ、患部に刺激を与えないために、うがい薬や柔らかい歯ブラシを用いてケアするようにしましょう。
固定期間が終わった後も、しばらくは歯とその周囲の組織に強い衝撃を与えないよう、柔らかい食事を続けることが大切です。
歯の脱臼とは

歯の脱臼は、歯が完全に外れてしまった状態を指します。
歯槽骨からの完全な脱落で、いわゆる「完全脱臼」と呼ばれる状態です。
原因は亜脱臼と同様、強い衝撃や外力によるもので、事故やスポーツ中の衝突・衝撃が多く見られます。
完全脱臼の場合は歯根膜が断裂してしまっているため、迅速な応急処置と歯科医院の受診が必要です。
歯の脱臼の治療法

脱臼の場合、応急処置までの時間がその後の歯の健康を左右します。
可能であれば、歯が脱落してから30分以内、遅くとも2時間以内に歯科医院を受診しましょう。
この2時間という時間は、歯根膜が生存した状態を保つための目安です。
時間をできるだけ置かないことが、元の状態に改善させるためには大切です。
脱落した歯を拾い上げた際は、歯根を触らずに歯冠部分を持ち、水で軽くすすいで汚れを落とします。
その後は乾燥しないように、口内に戻すか、牛乳や生理食塩水などに浸して歯科医院に持参しましょう。
その後、専用のレジンやワイヤーを使用し、周囲の健康な歯とともに固定する処置が行われます。固定期間中は、亜脱臼の場合と同様に口腔内の清潔を保ち、食事にも気をつけてください。
また、安定するまでは定期的に歯科医院に足を運び、状態を確認する必要があります。
脱落した歯の保存方法

脱落した歯は、再植までの時間のほか、保存方法によっても再植が可能になるかどうかが左右されます。
具体的には、歯が抜け落ちた際は、水で素早く洗い、歯が生えていた場所に優しく戻すようにしてください。
その際、歯を強く握ったり、ごしごしと洗ったり、乾燥させないようにすることが大切です。
もし、お口の中に戻しておくことが難しい場合には、牛乳や生理食塩水などで保存しておく必要があります。
生理食塩水は、コップ一杯の水(200cc)に小さじ3分の1の塩を入れて作ります。
その後は、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。
可能であれば30分以内に歯科医院を受診することで、歯をもとのように戻せる可能性が高くなります。
歯の亜脱臼・脱臼後に気を付けること
歯の亜脱臼や脱臼の後は、食生活や日常のオーラルケアに注意が必要です。
柔らかい食べ物を中心にとり、硬いものや粘着性の強いものは避けましょう。
また、極端に熱いものや冷たいものも避け、歯や歯ぐきに余計な負担を与えないようにします。
デンタルケアについては、口内を清潔に保つためにしっかりと歯磨きやフロッシングをしつつも、患部を刺激しないように、やさしく、丁寧に磨くことが大切です。
歯の亜脱臼・脱臼を予防するために大切なこと

スポーツをしている場合は、マウスガードの装着によって亜脱臼や脱臼を防ぎやすくなります。
特に身体と身体が接触するコンタクトスポーツをしている場合には、マウスガードを使用することで外部からの衝撃を和らげましょう。
また、特にお子さんやご高齢の方の場合は、日常において転倒を防ぐための工夫が必要です。
自宅内はできるだけ段差をなくしたインテリアにし、転びやすい場所にはマットを敷くなど、転んでも衝撃が抑えられるような工夫をしましょう。
また、外出の際に転倒しにくい靴を選ぶことも大切です。
さらに、硬いものをかむ癖などがある場合には、その習慣を見直すことも必要です。
ペンや氷などをかんでしまうという場合には、意識して改善するようにしましょう。
まとめ
歯の亜脱臼や脱臼は、突発的な事故や衝撃による口腔内のトラブルであり、そのようなトラブルに見舞われた直後はパニックに陥ってしまっても仕方ありません。
しかし、特に脱臼に関しては、その後に適した行動をとれるかどうかで歯を残せるかどうかが大きく左右されます。
「抜けた歯は軽くゆすぐのみにとどめ、速やかに口の中に戻す」ということを頭に入れておきましょう。
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