ダイビング時の歯の痛み「気圧性歯痛」の原因と予防法を解説
2026/04/20
こんにちは。代々木の歯医者、代々木クリスタル歯科医院です。
ダイビングを楽しんでいる最中や潜降時に突然感じる鋭い歯の痛みは、気圧性歯痛と呼ばれる症状です。
水深の変化による気圧が原因で発生します。
今回は、気圧性歯痛の原因や、ダイビング前に行うべきオーラルケアや予防法、水中で痛みが発生した場合の対処法について解説します。
気圧性歯痛とは
気圧性歯痛は、周囲の気圧が急激に変化することで起こる歯の痛みです。
スキューバダイビングだけでなく、飛行機での移動や登山などでも発生しますが、特にダイビングでは水深の変化による気圧の変動が大きく、症状が現れやすい傾向があります。
健康な歯であれば、気圧が変化しても痛みを感じることはありません。
しかし、虫歯や治療痕、歯周病などがあると、歯の内部の空気や、圧力のバランスの変化で痛みが生じます。
痛みの程度は鈍い違和感から鋭い激痛までさまざまです。
場合によっては耐え難いほどの強い痛みが出る場合もありますが、水中から浮上して気圧が元に戻ると和らぎます。
気圧性歯痛が発生するメカニズム
虫歯や亀裂、治療跡などがあると、歯の内部に空気が入り込みます。
この空気が気圧の変化で膨張・収縮することが、痛みを引き起こす要因です。
詰め物やかぶせ物の下にできた小さなすき間、歯周病でできたポケットなどに空気が入り込み、圧力の変化で痛みが起こります。
気圧性歯痛を引き起こす歯科的要因
虫歯
気圧性歯痛の原因として特に多いのが虫歯です。
虫歯が進行して歯の中に空洞ができると、そこに空気が入り込み、気圧の変化で膨張・収縮し、痛みが起こります。
虫歯が深いほど、神経が刺激を受けやすく、痛みも強くなります。
補綴治療
詰め物やかぶせ物などの治療跡がある歯は、気圧性歯痛を起こしやすい傾向があります。
これは、時間の経過とともに、歯と修復物の間にできたごく小さなすき間に空気が入り込むことが原因です。
また、根管治療が不十分な場合も痛みが起こります。
歯周病
歯周病が進行すると、歯と歯ぐきの間に歯周ポケットができます。
この中に空気や膿が溜まることも、気圧性歯痛が起こる原因です。
気圧の変化で圧力がかかり、痛みを感じるようになります。
ひびや亀裂
歯にひびや亀裂がある場合も注意が必要です。
歯ぎしりや硬いものを噛んだことでできた微細な亀裂に空気が入り込むと、気圧の変化で痛みが生じることがあります。
歯科治療後のダイビング再開時期
虫歯による詰め物治療
軽い虫歯で小さな詰め物をした場合、詰め物は24〜48時間ほどで安定します。
ただし、気圧性歯痛のリスクを減らすためには、2、3日たっているからといって治療後すぐにダイビングをするのではなく、一週間ほどは様子を見るようにしましょう。
虫歯によるかぶせ物治療
大きな詰め物やかぶせ物の治療を受けた場合、歯と補綴物の接着が安定するまでには時間がかかるため、ダイビング再開の目安は2〜3週間後です。
特にかぶせ物の場合、セメントが完全に固まる前に気圧変化を受けると、接着が弱まり、わずかなすき間ができることがあります。
十分な期間を空けてからダイビングを再開することで、トラブルを防げます。
根管治療・抜歯
根管治療を受けた場合は、再開までに十分な期間を取る必要があります。
少なくとも1ヶ月、できれば6週間から2か月ほどはダイビングを控えましょう。
また、抜歯後も注意が必要です。
傷口が安定するまでには1か月ほどかかるため、早期の潜水は避けてください。
治りきっていない状態で潜ると、気圧変化によって出血や感染が生じることがあります。
ダイビング前日・当日の口腔ケア
前日のケア
ダイビング前夜はいつも以上に丁寧に歯磨きを行い、口内を清潔に整えましょう。
食べかすや歯垢が残っていると、気圧変化による痛みの原因になることがあります。
当日のケア
朝も、歯ぐきを傷つけないよう注意しながら丁寧に歯磨きを行ってください。
また、急激な温度変化は歯に刺激を与え、気圧変化時の痛みを誘発しやすくするため、冷たすぎる飲み物や熱すぎる飲み物は避けましょう。
食事の工夫
ダイビング前は、硬いものや粘着性の高い食べ物は避けるようにしてください。
硬い食べ物は歯に微細な亀裂を生じる原因に、粘着性の高い食品は補綴物に負荷をかける原因になります。
甘いものや酸性の強い飲食物も控え、やわらかく消化のいい食事を選ぶと、歯のエナメル質がダメージを受けるリスクが減り、気圧変化の影響を受けにくくなります。
水中で歯痛が発生した場合の対処法
冷静になり、ゆっくり浮上する
水中で突然歯が痛くなっても、パニックにならないことが重要です。
気圧性歯痛は強い痛みを伴いますが、生命に直接関わる症状ではありません。
バディやガイドに状況を手信号で伝え、焦らずゆっくり浮上するようにしてください。
休息をとり、医療機関を受診する
水中から上がったら、装備を外して休息を取りましょう。
多くの場合、気圧が戻ることで痛みは軽減または消失します。
痛みが続く場合や新たな症状が現れた場合は、医療機関を受診するようにしてください。
気圧性歯痛の予防策
日々のオーラルケア
気圧性歯痛を防ぐ基本は、毎日の丁寧な歯磨きです。
朝晩の歯磨きに加え、デンタルフロスや歯間ブラシを使い、歯と歯の間の汚れも取り除くことが重要です。
定期的な歯科検診
少なくとも半年に一度、できれば3〜4か月に一度は、口内のチェックを受けておきましょう。
検診では、初期の虫歯や歯周病、詰め物の劣化など、自分では気づきにくい問題を早期に発見できます。
早めに対処することで、水中での突然の痛みを防ぐことができます。
ほかの気圧変化による歯痛
飛行機
飛行機では、気圧が低下することで歯の内部の空気が膨張し、圧力がかかります。
着陸時には逆に気圧が上昇し、歯の内部の空気が圧縮されるため、離陸時とは異なる痛みを感じることもあります。
登山
登山でも気圧性歯痛は起こります。
一般的には標高1,000メートルごとに気圧は約10%下がるため、標高が高くなるほど痛みが起きやすくなります。
まとめ
気圧性歯痛は、水深の変化による気圧の変動が起こす歯の痛みです。
予防の基本は、日々の丁寧なオーラルケアと定期的な歯科検診です。
特にダイビングを予定している場合は、事前に歯科医院で口内の状態を確認してもらうことが大切です。
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